SPIRIT

高橋建築の心

自然乾燥を極める


年月を惜しまない「自然乾燥」が、木本来の粘り強さを生かし続ける。

生きた素材 木と向き合う

木は伐採され、木材となってからもその特質を保ち続け、優れた強度と耐久性を発揮します。 建てられてから何百年も経過した神社仏閣や木造建築が今もなお当時の姿をとどめいてることこそが、 その強さの証です。しかも木の調湿作用や断熱性、保湿性は日本の気候風土と相性が良く、 家づくりの最良の素材といえるのです。

さらに木にはそれぞれの特質から節もあれば、割れもあります。それらは決して欠点ではありません。 むしろそれは一本一本の木が見せる豊かな表情、たった一つの個性なのです。

私たちは木の個性や特性を知ることで素材を無駄にすることなく適材適所に扱うことを心がけています。

徹底した自然乾燥へのこだわり

木は多くの水分を含み、乾くとクセがでてきます。 そのため「木材」として使用するには長い時間をかけて乾燥させる必要があります。 しかし現在多くのメーカーでは、機械を使い中高温で一気に短時間で強制乾燥させています。 その方法では木が本来保有する大切な養分が流れ出し、木の香りも損なわれ、中はスカスカになりミイラのような状態になってしまいます。 私たちは、天然木が持つ本来の風合いの粘り強さ、耐久性を最大限生かせるように、年月を惜しまず徹底した自然乾燥にこだわっています。

自然乾燥

自然乾燥の期間は1~3年程です。自然に乾かすことで木が家として100年以上生きていく為に必要な養分が失われません。「年輪」は、できるだけ中心にあり、重量のかかる部分には、最低でも樹齢80年以上の目づまりの良い気を使用することが大切です。「背割」は木の表面割れを防ぐために必要で、また地震の力を吸収する能力もあります。

安価な強制乾燥

  • 年輪の目が粗いものが多い
  • 内部が割れているので強度がない
  • 表面が焼けて炭化し硬くなり強度があるように言われることがある
  • 養分がないので薬剤処理不要

集成材

  • 木の強さではなく接着剤の強さ
  • シロアリの好物なので薬剤処理が必要

土台

土台は上からの荷重を受ける為、背割はしないので 表面は割れますが強度には問題はありません。 年輪は80年以上が良いでしょう。土台にはシロアリに強いヒバもありますが、 上からの荷重に強い桧をおすすめします。また栗の木も土台に適しています。 自然乾燥であれば、木に養分があるのでシロアリを寄せ付けません。(炭を塗るとより安心です)

構造

柱、土台と同様に年輪は80年以上の木が良いでしょう。背割はしないので、自然乾燥の場合、 表面は割れますが、強度には全く問題ありません。

自然乾燥

家の強さには耐震だけでなく、制震(木の粘り強さ)も大切です。自然乾燥なら、木本来の強さが生きています。

  • 表面は割れるが木の強度は高い
  • 年輪の目づまり80年以上の木

安価な強制乾燥

  • 炭化により一見硬いが、強度はない
  • 年輪が大きい20~50年位、芯より10年位まで強度は低い

技術を極める


こだわりの「材」と「技術」が生み出す調和。安心で安全な暮らし

これからの時代の”二〇〇年住宅”

従来、日本の住まいは30~40年程で建て替えられていました。 人生で最大の買い物といえる「家族の家」が、老後を迎える頃には建て直しを余儀なくされ、 経済的な問題もさることながら、建て替えることにより大量のゴミを排出し、地球環境に影響を与えることも問題になっています。 これからの時代は、家族と共に過ごし「大切に育ててきた家」をできる限り次世代にバトンタッチしてゆくことが不可欠となってくるのではないのでしょうか。

強いこと、性能が良いこと

家づくりにおいて、自然災害や地震対策への関心は年々高まっています。 高橋建築では安心で安全な暮らしを永く続けられるよう、長寿命で頑丈な、ベタ基礎を標準仕様に用い、コンクリート強度の高い、地震に負けない基盤を実現しています。 丈夫な基礎に加え、強固な木組みや筋交いによる耐力壁など古来より培われてきた木造軸組工法をベースに、床組みには剛床を採用しています。 この工法によって地震における揺れの集中をなくし、建物全体の剛性を最大限に生かした、ねじくれにくく耐震性に優れた建築が可能となるのです。 また建物全体を高性能な断熱で覆い、遮熱シートや通気層を設け、建物の高気密・高断熱化を図っています。

基礎

ベタ基礎

構造が強くても基礎が弱くては何にもなりません。 鉄筋はもちろんの事、コンクリートの強度(セメントの比率)「呼び強度」で、N27以上のものを使用します。 コンクリートの強度が高いほど、基礎の耐用年数は長くなります。

骨組

剛床

木造軸組工法をベースに床組には剛床を採用し、地震における揺れの集中をなくしています。 床を一体化させた面構造で「ねじれ」や「ゆがみ」を強力な床剛性で抑え、建物全体の構造の安定感がさらに高くなっています。

通し柱

※熊本地震の際には、多くの住宅が通し柱などを設けていなかったため大きな揺れに耐えきれず倒壊しました。

なしの場合

通し柱がないと1階と2階が分断されているため、各階で揺れ方が変わり、家全体が複雑な揺れ方をすることで倒壊するリスクが高くなります。

ありの場合

通し柱があれば柱自体に揺れが伝わり、複雑な揺れを起こさないので倒壊する恐れは低くなります。 さらには自然乾燥の木なら粘りやしなやかさがあるため、地震の揺れを軽減する働きもあります。

性能

高気密・高断熱+遮熱

建物全体を高性能な断熱で覆い、通気層を設けることで建物の高気密、高断熱化を実現しています。また遮熱シートを採用することで、輻射熱を低減し、屋根裏やロフトの居住性も飛躍的に向上しています。

職人の心


木を知り、木を生かす。

匠の技が、唯一無二の高橋建築の家を創り出す。

高橋建築の職人は、木を知るところから始めます。 木の向き、木目、色艶など、一本一本特性が異なり、 それぞれのくせ(個性)があり、それを匠が、大工の経験と技をもって見極めたうえで、最善の加工を施していきます。 大工の仕事はやり直しがきかないのでいつも真剣勝負です。 特に構造材を表しにしたり、収納家具や建具など、大工職人が手仕事で造作する弊社では、その技量が大きく問われます。 素材に対する手間ひまを惜しまない姿勢と、木を使いこなす匠の技が唯一無二の高橋建築の家を創り出すのです。

生産者の心


かけがえのない森林資源。感謝の心で愛しみながら育てる。

森床銘木から高橋建築へ

森で伐採後3ヵ月間、山で野枯らしして水分量を減らし軽量化し運搬します。 その後1年間、森庄銘木の倉庫で自然乾燥の後、岡山へ搬入。 さらに高橋建築の自社倉庫で数年間自然乾燥させ、製材し各パーツに使用しています。

森床銘木産業株式会社

1927年創業、独自の管理型天然乾燥式製造など、 確かな品質の優良材(銘木・木材)の製造販売をしています。 木の文化、伝統産業の育成・継承発展を願い、様々な研究に取り組んでいます。

[所在地] 奈良県宇陀市菟田野古市場511-2

[連絡先] TEL 0745-84-2021(代表)

INTERVIEW


インタビュー

職人歴40年 澤田大工

建築科を卒業後、日本建築に興味があり大工の道へ。 数寄屋建築を得意とする師匠(高橋建築初代社長)の下、大工見習として修行を積み、2級建築士も取得。 今では若手からベテランまでのすべての大工を取りまとめ、日本建築の技術を継承すべく若手大工の育成にも力を入れる。

「他社は既製品を使う部材も、高橋建築ではこだわりの木材で自社制作しています。 わたしたちの家づくりは細かな手仕事が多く時間も手間もかかります。 高橋建築の見えない所も手を抜かず妥協のない家づくりの姿勢に、ここで働く大工として自負と誇りを持っています。」

職人歴13年 島田大工

「子供のころからものづくりが好きで大工になりました。 数年前から棟梁として1棟の家を任されるようになり、緊張感とやりがいのある毎日ですが、 歴13年では大工としてまだまだひよっこです。先輩大工達の匠の技をこれからもどんどん吸収し一流の棟梁になりたいです。」

職人歴4年 牧大工

「大工だった祖父の影響で小さい頃から大工に憧れていました。 高校卒業後、高橋建築の大工見習いとして入社して4年、出来る仕事が増えてきました。 日本建築が好きなので本格木造の物件に携われる事が嬉しいです。 憧れが現実になり毎日楽しいです。これからも頑張ります。」


高橋建築に木材を提供する生産会社のひとつである「森庄銘木」にお話を伺いました。 1927年の創業以来、4代に渡り営んできた奈良林業界の名家です。

Q
大手企業ではなく、一企業に直接納品することは少ないとお聞きしましたが、高橋建築に木材を提供する思いやお考えをお聞かせくださいますか。
A

高橋社長とは、かれこれ30年を超えるお付き合いです。高橋建築の「お客様に良い素材を使って、”本物の木の家”を立ててあげたい」という真摯な姿勢が、私どもの理念と共鳴するところが大きく、信頼をもってご提供させていただいております。もともと岡山県産の木材もありますが、奈良県産材(吉野杉・吉尾桧)も継続的にまた、積極的にとりいれていただいております。高橋建築さんは、お客様に喜んでいただけるように常に良質な素材を求めていらっしゃいます。こちらとしてもその想いに真剣に向き合い、ニーズに応えられるように、これからもより良いものをご提供していきたいと思っております。

Q
林業を営まれる身としての、「木」への思いや、未来に向けて感じている使命のようなものはありますか。
A

創業以来、植林・育林を続けてまいりました。現在伐採させていただいている木材の一部は当時の苦労の賜物です。これまでに適切な枝打ち、間伐を施していたからこそ、今、実りのある山になっています。感謝の心で伐らせていただいています。長きに渡り、手間暇かけて手入れし育て、受け継いできた森を生かす技術を、次世代にしっかりと引き継いでいきたいと思います。

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